サラダや揚げ物、たこ焼きなど、さまざまな料理に使われているマヨネーズ。
普段から何気なく「マヨ」と呼んでいますが、そもそもマヨネーズの「マヨ」とは何を意味しているのでしょうか?
実は、マヨネーズという名前の由来は、現在もはっきりとは分かっていません。
スペインの港町から名付けられたという説や、フランスの町の名前が変化したという説、さらには卵黄を表す言葉が語源になったという説まであります。
この記事では、マヨネーズの名前にまつわる有力な3つの説を紹介します。
マヨネーズの名前の由来は確定していない
マヨネーズはフランス語で「Mayonnaise」と表記されます。
そのため、フランスで生まれた名前だと考えられていますが、フランス語の「Mayonnaise」が何に由来するのかは、現在も確定していません。
フランス国立テキスト語彙資源センターでは、スペイン・メノルカ島の港町マオンに由来する可能性を示しながらも、別の語源説についても触れています。また、フランス学士院の辞書でも、マヨネーズは「語源不詳」とされています。
つまり、現在もっとも広く知られている説はあるものの、歴史的な証拠によって完全に決着しているわけではないのです。
説1:スペインの港町「マオン」に由来する説
マヨネーズの語源として、もっとも有力とされているのが、スペインのメノルカ島にある港町「マオン(Mahón)」に由来する説です。
1756年、フランス軍は当時イギリスの支配下にあったメノルカ島を攻撃しました。
フランス軍を率いていたリシュリュー公爵が、マオンの料理店で肉料理に添えられていた卵と油を使ったソースを気に入り、フランスへ持ち帰ったと伝えられています。
そのソースは「マオンのソース」という意味で、フランス語風に「Mahonnaise(マオンネーズ)」と呼ばれ、やがて「Mayonnaise」へ変化したという説です。
日本のマヨネーズメーカーであるキユーピーも、このマオン説をもっとも有力な起源説として紹介しています。
ただし、1756年のマオン占領から、文献に「Mayonnaise」という言葉が登場するまでには長い空白があります。
そのため、「本当にマオンから直接生まれた名前なのか」と疑問視する見方もあり、完全に証明された説ではありません。
説2:フランスの町「バイヨンヌ」に由来する説
2つ目は、フランス南西部の町「バイヨンヌ(Bayonne)」に由来する説です。
もともとは「バイヨンヌ風のソース」という意味で、「Bayonnaise(バイヨネーズ)」と呼ばれていたものが、発音や表記の変化によって「Mayonnaise」になったと考えられています。
19世紀初めには、すでに「Mayonnaise」「Mahonnaise」「Bayonnaise」など、複数の呼び方が使われていたとされています。
フランス国立テキスト語彙資源センターでも、「Mayonnaise」は「Bayonnaise」の誤った表記から生まれたのではないかという説が紹介されています。
ただし、バイヨンヌとマヨネーズを直接結びつける決定的な記録はなく、こちらも有力な候補のひとつにとどまっています。
説3:古いフランス語で「卵黄」を意味する言葉に由来する説
3つ目は、古いフランス語で卵黄を意味する「moyeu(モワイユ)」に由来する説です。
マヨネーズは、卵黄に油や酢などを加えて乳化させて作るソースです。
その中心的な材料である卵黄を表す「moyeu」から、「moyeunaise」のような言葉が生まれ、それが「Mayonnaise」へ変化したのではないかと考えられています。
料理の材料に由来するため、分かりやすく納得しやすい説ですが、「moyeunaise」という言葉が変化していく過程を示す十分な記録は確認されていません。
また、マヨネーズ作りでは材料を絶えず混ぜることから、フランス語で「扱う」「混ぜる」といった意味を持つ「manier」に由来するという説もあります。
いずれも作り方や材料に注目した語源説ですが、マオン説ほど広く支持されているわけではありません。
もっとも有力なのは「マオン説」
3つの説のなかで、現在もっとも広く知られているのは、スペイン・メノルカ島の港町マオンに由来する説です。
英語のオックスフォード学習者辞典でも、フランス語の「Mayonnaise」は、おそらく「マオン出身の」という意味を持つ言葉に由来すると説明されています。
一方、フランス学士院の辞書では語源不詳とされているため、マオン説だけで完全に決着しているわけではありません。
有力な順番としては、次のように考えると分かりやすいでしょう。
- スペインの港町マオンに由来する説
- フランスの町バイヨンヌに由来する説
- 卵黄を意味する古いフランス語に由来する説
まとめ
マヨネーズの名前には、主に次の3つの説があります。
- スペインの港町マオンに由来する説
- フランスの町バイヨンヌに由来する説
- 古いフランス語で卵黄を意味する「moyeu」に由来する説
もっとも有力とされているのは、「マオンのソース」を意味する「Mahonnaise」が「Mayonnaise」へ変化したという説です。
しかし、名前が文献に登場するまでの空白などもあり、現在も決定的な証拠は見つかっていません。
冷蔵庫に当たり前のように入っているマヨネーズですが、その名前には、国や町、言葉の変化が絡み合った意外に深い謎が残されているのです。
参考資料
- キユーピー「マヨネーズの発祥は?」
- キユーピー「マヨネーズの誕生物語」
- フランス国立テキスト語彙資源センター(CNRTL)「Mayonnaise」語源
- フランス学士院辞典「Mayonnaise」
- Oxford Learner’s Dictionaries「Mayonnaise」


